プラザクリエイトの和光プリントセンターでは、写真をはじめ、フォトブックやTシャツなどを印刷しています。この工場でプリントの新たな価値を追求し続けるのは、生産管理部の松元、生産部の松江ペア。「受注を待つだけでなく、需要があるところにプリントの価値を掛け合わせていきたい」との想いから、2020年9月、社内スタートアップとして新規ビジネスの創出に着手。試行錯誤の末にたどりついた「ファンブック」誕生までの道のりとは? お話を聞きました。


※掲載されている情報は、公開日2021年7月28日時点のものとなります。
発想の転換で生まれた、オンデマンドプリントが活きる世界に1つだけのファンブック
――最初に、二人が熱量を込めてつくった「ファンブック」について教えてください

スポーツチームや芸能事務所は、所属するスターの写真をたくさんもっているものの、SNSにアップする以外に、ファンに写真を楽しんでもらう機会が少ないという声を耳にしました。そこで、彼らが保有する豊富な写真素材と、私たちプラザクリエイトの強みであるオンデマンドプリントを組み合わせ、「ファンブック」をつくることにしたんです。
オンデマンドプリントとは、まさしく名前のとおり、デマンド(需要)に合わせてプリントできる技術。決まった版を大量に印刷する通常プリントに対し、和光プリントセンターのオンデマンドプリントなら、必要な写真を、必要な枚数、スピーディーに印刷することができます。




※ 画像はサンプルです。
――編集者として自分の名前を入れられるのは魅力的ですね。ファンブックは、どんなきっかけで生まれたんですか?


しかし、松元さんの「自分では撮れない、大好きな人の写真には価値がある」という気づきをヒントに、発想を転換。いち個人のスマホやデジカメには入っていない、第三の写真素材にアクセスできるようになれば、写真プリントの可能性はもっと広がると考えたんです。
そこで思いついたのが、スポーツチームなどスターを抱える組織に働きかけること。スポーツチームが写真を提供する、ファンがお気に入りの写真を選ぶ、プラザクリエイトが印刷を担う、という座組です。発注が入ってから印刷するオンデマンドプリントなら、スポーツチームが在庫を抱えることなく始められるのもポイントだと思いました。
一筋縄ではいかない営業活動。それでもフォトブックの価値を信じ、進み続ける
――実際、お客様にファンブックを提案すると、多くの反響があったんですか?

2つ目は、リソース不足だったこと。あるのは工場とアイデアと情熱だけで(笑)、なんせ構想段階のプロダクトだったので、最初はサンプルをはじめとした営業ツールが充実していなくて。通常の生産業務もやりながら、たった2人で新規営業をしていたので、時間的にも余裕がありませんでした。
3つ目は、タイミング。アプローチをしたスポーツ業界は、緊急事態宣言などで苦しいときを過ごしていました。「今はファンブックを考える余裕はない」とお断りされることも多々ありましたね。
――たくさんの問題に直面されたんですね。突破口はなんだったのでしょう?

ただ、どんなにスムーズにいかなくても心が折れなかったのは、「スターとファンをつなぐこのファンブックは、関わる人みんなをしあわせにする」という確信があったからです。ファンは推しのオリジナル写真集をつくれたら嬉しいし、スポーツチームなどの団体は写真を通じてファンエンゲージメントが高められたら嬉しい。そして、私たちプラザクリエイトは写真の新たな価値を提供できたら嬉しい。これはみんながしあわせになる取り組みだと確信していたんです。
だから、1回くらい断られただけでは全然へこたれませんでした。いつか、この価値は絶対にわかってもらえる。そう信じ、熱量をもって営業をしていましたね。
そうすると、活動開始から半年くらいのタイミングで、興味をもっていただけるお客様が出てきて。試験的なものをつくってご意見をいただいては、またブラッシュアップし、理想のファンブックの形にしていきました。

工場ならではのスピード感と最強チームワークで、ファンブックリリースを目指す
――最初は苦戦していた営業活動ですが、少しずつ光が差してきたんですね。プロジェクト開始から1年未満でリリースを可能にできた要因はなんだと思いますか?


――二人は、どのように役割分担をしているんですか?

だから、お客様にお話しするときには、一緒に取り組みをした1~2年先の未来をお伝えしています。そういう意味で、夢を見せる役割ということですね(笑)。


ファンブックを通じて、スポーツ選手とファンの絆を紡ぎたい
――最強タッグの二人ですね!それでは最後に、これからの展望を教えてください。

直近の目標としては、全スポーツチームに、ファンブックの取り組みを一緒にしていただくことですね。オリンピックも無観客になってしまったし、今は少し、スポーツとの物理的な距離があるように感じます。そんなときこそ、今回つくった「ファンブック」が選手とファンの絆を結び続けることができれば、こんなにうれしいことはありません。

【編集後記:広報グループより】
フォトブックリリースまでの険しい道のりを、熱量をもって二人三脚で歩いてきた姿が印象的でした。オンデマンドプリントの強みと時代のニーズが合致して生まれた「ファンブック」。写真を選ぶ楽しさ、オーダーした本が手元にくるまでのワクワク、初めて本を開くときの緊張感、ページをめくるたびにじんわりと蘇る感動……。ファン仲間とでお互いの作品を見せあうのも楽しそう。新たな広場が生まれていく予感です!

